2012年10月23日火曜日

旅立ちの時



リバー・フェニックスの作品の中で一番好きだ。マーサ・プリンプトンとの瑞々しい絡みが草原を吹くそよ風のようである。

父母が60年代の反戦運動でFBIに指名手配されているため、名前を変えて各地を転々として逃亡生活を送る一家の新たな旅立ちを描いている。実際にリバーはヒッピーの一家に生まれ、各地を転々としていたそうだ。

母親役のクリスティーン・ラーチが素晴らしい。幾千もの感情が入り混じった彼女の涙がこの作品の価値を決定づけている。

ジェームス・テイラーの「Fire and Rain」を家族で歌うシーンが心に残る。宝物だ。

映画監督・劇作家のサム・シェパードは「マイ・プライベート・アイダホ」のリバー・フェニックスにジェームス・ディーンの様だと衝撃を受け「アメリカンレガシー」に起用した。確かにリバーにはジェームス・ディーンが見え隠れする。「エデンの東」のジェームス・ディーンや「波止場」のマーロン・ブランドに象徴されるような役柄の内面を掘り下げて疑似体験することで自然な演技を追求する演技をメソッド演技法というが、リバーにはリバーだけが持ちえる演技を超越する自然美が漂っていて、「ラストタンゴ・イン・パリ」のマーロン・ブランドまではいかなくとも、そのままの姿をずっと見ていたいと思わせる稀有な俳優の一人だった。

その死が残念でならない。

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